50代が営業職を目指す前に整理しておきたい現実と希望

営業職への転職を考えている50代のあなたへ。

――そんなふうに思っていませんか？

ジョー

こんにちは。“ジョー”は元採用面接官。これまで100人以上の営業志望者と本気で向き合ってきました。

本記事では、「50代未経験」という立場で、それでも営業職に挑戦しようとするあなたが、まず整理しておくべき“現実”と“希望”についてお伝えします。

この記事を読むメリット

「もう無理かもしれない…」とあきらめる前に、ぜひ最後まで読んでみてください。
ここには、あなたに残された“選択肢”があります。

1️⃣50代未経験で営業を目指す人が抱える“現実”

50代から営業職を目指す――この選択には、誰しもが少なからず不安を抱えています。

とくに「営業未経験」という前提がある場合、現実的な壁がいくつも立ちはだかります。

ここでは、営業職を目指す前に知っておきたい“今の自分の立ち位置”を整理します。

・年齢の壁｜「もう遅いのでは？」という不安

――これは、50代の多くが感じる率直な不安です。

企業側も“年齢だけ”で判断するわけではありませんが、実際の選考では、若年層と比較されることも少なくありません。

ただし、それは「年齢が原因で落とされる」というよりも、“営業で成果を出すイメージ”が持てないと判断されるケースが多いのです。

つまり、「年齢＝不利」ではなく、「伝え方次第」で十分に評価される余地はあるということです。

・体力・記憶力の低下と向き合う現実

営業という仕事は「体力勝負」のイメージが強く、50代になると不安に感じやすいポイントです。

実際、外回りや長時間の立ち仕事が続くと、疲労が溜まりやすくなるのも事実でしょう。

また、新しい商品知識や社内ルールを覚えるスピードも、若い人に比べて劣ると感じることがあります。

ただし、すべての営業が体力重視ではないという点は押さえておきたいところです。

・書類が通らない理由とは？採用側の視点

「50代で営業未経験」――このキーワードだけで、書類選考が通らないという声も多く聞かれます。

しかし、採用する側としては、「年齢」そのものよりも、“なぜ営業職を希望するのか”という理由の弱さに引っかかっているケースがほとんどです。

ジョー

志望動機が曖昧だったり、「とにかく働きたい」といった姿勢だけだと、「この人は営業の大変さをわかっていないのでは？」と判断されてしまいます。

・家庭の事情と背負っているものの重さ

50代で営業職を目指す人の多くが、家族を養う責任を背負っています。

子どもの学費、住宅ローン、老後の不安――「とにかく稼がなければ」という気持ちは痛いほどわかります。

ただ、焦りだけが先行すると、ブラック企業やミスマッチな求人に飛びついてしまう危険性も高まります。自分の立場を冷静に見つめ直すことが、希望への第一歩になります。

50代未経験がぶつかる主な壁と対策一覧

2️⃣実際にはどうか？営業の現場にいる“50代”のリアル

「50代で営業なんて現実的じゃない」――そう思っている方にこそ知ってほしいのが、営業の現場では50代も“普通に活躍している”という事実です。

この章では、ジョーが実際に見てきた営業現場のリアルを通して、「50代未経験でも通用する理由」を解き明かします。

・営業現場には50代も“ふつうに”いる

私自身が営業現場に飛び込んだのは30代後半でしたが、そこにいたのは20代の若手だけではありませんでした。

40代、50代の未経験者が少数ながら確かにいて、年齢を言い訳にせず、ひたむきに働いている姿が印象的だったといいます。

ジョー

正直、50代の未経験者はそう多くはありませんでした。でも、いないわけじゃないし、実際に一緒に頑張っている方もいました。年齢を気にされる場面もありますが、「本気で変わりたい」という想いは、ちゃんと伝わるものですよ。

・体力勝負だけじゃない｜経験が活きる営業スタイル

営業＝体力勝負というイメージが先行しがちですが、実際には“聞く力”や“信頼を築く力”が求められる場面も多いのが現実です。

とくに住宅・保険・リフォーム・高額商品の営業などでは、

が重宝される傾向があります。

つまり、若さではなく“深み”が武器になる営業分野があるということです。

・「未経験＝ゼロスタート」とは限らない

これまでの人生で培ってきた社会人経験や、家庭を支えてきた責任感などは、営業の現場で大きな強みになります。

たとえ営業職が初めてでも、「人との関わり方」や「信頼を築く感覚」は、年齢を重ねた人ほど自然と備わっているもの。

未経験だからといって“まったくの新人扱い”になるわけではありません。

――それが、現場のリアルです。

3️⃣希望を現実に変えるために、整理しておくべき3つの視点

「営業しか道が残っていない」――そう感じながらも、一歩を踏み出せずにいる方は少なくありません。

でも、希望をただの願望で終わらせず、現実に変えていくためには、“見方”を変えることが必要です。

ここでは、営業職への転職を目指す50代が整理しておくべき、3つの視点をお伝えします。

視点①｜“できること”ではなく“やれる理由”に目を向ける

50代になると、「自分に何ができるか」を冷静に考えがちですが、それ以上に大事なのが「なぜ営業をやるのか」という理由です。

採用担当はスキルや体力よりも、「この人は本気で続けてくれそうか」を重視します。

――そんな強い想いは、伝え方次第で十分武器になります。

“やれる理由”をしっかり言葉にすることが、まず最初の突破口になります。

ジョー

営業に向いてるかどうかより、「何のために働くか」が伝わる人の方が、面接では強いです。理由がある人は、現場でも絶対に折れませんよ。

視点②｜求人の選び方で8割決まる

同じ「営業職」でも、業界や企業によって求める人物像は大きく異なります。

50代未経験でも採用される可能性が高いのは、「人柄」や「責任感」を重視する業界・商材です。

たとえばリフォーム・保険・地方のルート営業などは、若さより信頼感や誠実さが求められる傾向があります。

厚生労働省のガイドラインでも、企業が募集・採用の際に年齢制限を設けることは原則として禁止されています。「年齢にかかわりない採用選考の実現に向けて」より出典：厚生労働省 PDF資料（2023年3月版）

未経験歓迎の「本音」と「建前」

「未経験歓迎」と書かれていても、それが本気なのか“とりあえず書いているだけ”なのかは求人文面から読み取れます。

たとえば「研修制度が充実」と明記していたり、「40代以上の入社実績あり」と書かれている場合は、本当に間口が開かれている可能性が高いです。

求人を「数」ではなく「質」で選ぶ目線が重要です。

視点③｜覚悟と継続力が“若さ”に勝る

営業職で求められるのは、技術よりも「続けられる人かどうか」です。どんなに元気な若手でも、数ヶ月で辞めてしまっては意味がありません。

50代の強みは、

にあります。

未経験であることはハンデではなく、「これから続けていく意志を持っているか」を伝えるチャンスでもあります。

4️⃣実際に採用された50代未経験者の特徴

「50代未経験では採用されないのではないか？」――その不安は、決して思い過ごしではありません。

実際、多くの企業は書類選考の時点で50代未経験をはじきます。そしてもっと根本的な事実として、“そもそも応募してくる人自体が極めて少ない”のです。

そんななかで、実際に採用に至った50代未経験者には、たしかに共通した特徴がありました。

ここでは、その“ごくわずかな突破例”に見られたポイントを解説します。

✅「ほぼ通らない中で、それでも残った人の共通点」

私がこれまで関わってきた面接は100件以上――その中で、「50代かつ営業未経験」で面接まで進んできたケースは、わずか数人。

つまり、書類選考を通過するだけでも狭き門です。

それでも、実際に採用に至った方には、たしかに共通点がありました。

ジョー

まず、応募してくる50代未経験の方がほとんどいません。応募がなければ面接にも進まないし、採用のチャンスすら生まれません。だからこそ、来たときは印象に残るんです。「この人は何か違うな」と思わせる強さがありました。

✅「伝わる言葉」と「誠実さ」が最大の武器になる

採用に至った50代未経験者が評価された最大のポイントは、「飾らない誠実さ」と「腹を括った覚悟」です。

こうした言葉には、自分の弱さを隠さず、それでも前に進もうとする強さがにじみ出ていました。

それは“技術”でも“若さ”でも補えない、人生のリアルです。

営業現場で評価される50代未経験者の特徴

□ 最後までやりきる覚悟がある
□ 素直に学ぶ姿勢がある
□ 人の話を聞く力に自信がある
□ 転職の“理由”が自分の言葉で話せる
□ 「続ける力」を面接で語れる
□ 新しい環境でも柔軟に対応できる

✅「未経験でも採用される人」は存在するが、“希少”であることを自覚する

勘違いしてはいけないのは、「誰でも採用される」という話ではないということ。現実として、50代未経験は稀にはない、例外に近い採用です。

だからこそ、「採用される側になる」には、求人選び・志望動機の伝え方・面接の受け答え――
すべてにおいて、“本気の伝わる設計”が必要になります。

そこが、50代未経験の“勝負の分かれ目”になります。

5️⃣まとめ｜営業職に挑戦する50代が整理しておくべき“現実”と“希望”

・最後に問われるのは「何歳か」ではなく「何のためか」

50代で営業職を目指すという選択には、不安も、リスクも、現実的な壁もあります。未経験であること、体力的な不安、書類が通らない厳しさ――どれも否定はできません。

それでも、実際に営業の現場には、50代で挑戦し、居場所をつくった人たちがいます。

彼らに共通していたのは、「素直さ」「覚悟」「続ける力」、そして “何のために働くのか” が明確だったことです。

ジョー

最初から完璧じゃなくて大丈夫です。50代未経験でも、動けば道は見えてきます。「このまま終われない」と思ったなら、それがもう十分な理由です。

面接官の視点から「なぜ通ったのか？」を具体的に解説したこちらの記事も、ぜひ参考にしてください。

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